便が体調の目安となるのと同様に、尿にもまた体の異変がすぐに現れます。
飼い主が犬や猫の健康なときの尿の回数や色などを把握していれば、異常が見られた場合にはすかさず見抜けるはずです。
尿は腎臓でつくられ膜胱にたまり、尿道を通って体外に排泄されます。
しかし、尿の排泄がスムーズにできない場合があります。
このような状態を排尿困難といいます。
犬や猫がたびたび尿をする、もしくは排尿の姿勢をとるけれどもほとんど尿が出ない、尿をポタポタと漏らすなどの場合は、膀胱炎か尿路結石、前立腺の異常が疑われます。
このときには頻繁に水を飲み、排尿の姿勢をくり返します。
まったく排尿できない状態が長く続くと、高窒素症などといった重篤な状態になってしまうこともあります。
とくに結石が尿路を塞ぐと、尿がほとんどまたはまったく出なくなり、かなり苦しむため、すぐに動物病院につれていって治療を受ける必要があります。
尿がまったく出なくなると、2~3日間苦しんだ後に死亡してしまいます。
また尿の回数や量が異常に多い場合には、慢性の腎不全、糖尿病、子宮蓄膿症(雌)、尿崩症といったことも考えられます。
尿に血液がまじっている、尿が濁っているなどの場合には、膀胱炎、膀胱結石、急性フィラリア症、タマネギ中毒などが疑われます。
尿に血がまじっていたり、あわせて脱水やショック症状、歯茎が青白くなり、呼吸や鼓動が非常に速くなり、不安気に歩きまわったり、またはぐったりするとか、嘔吐を伴うときは、尿毒症を併発している危険性があります。
こうした場合になると、緊急に治療を受ける必要があります。