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家庭でできるペットの病気や怪我の診断とお薬について

犬の肥満は飼い主の責任です

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犬の肥満は病気が悪化した理由とは思われても、肥満自体が病気だと考えている人はほとんどいないそうです。

しかし、過剰な肥満はまぎれもなく病気だということです。

ところが、人問のケースでももちろんですが、肥満気味でもその点を病気と思いたくないところに問題が生じます。

肥満が原因で足が痛くても、さらに少し歩くと息が上がっても、大抵は関節や心臓の病気と診断され、太りすぎが原因とはされにくいといえます。

そうであっても元を正せば肥満が原因で関節や心臓に症状が生じたと捉えることが重要です。

関節や心臓に異常を持っていても太り過ぎていなければ発病しないこともあり得ます。

肥満は病気だと考えて治療と予防をするようにして下さい。

犬の肥満の判定方法

犬が適正体重をキープしているのか、太り過ぎなのかを判定する検査法はいくつかあげられます。

いちばん簡単に日頃の生活でチェックできる方法は、犬の胸壁を手指でさわり、肋骨が触知できるかできないかによって肥満度を判断する方法です。

手指で肋骨を触れることなく目視で肋骨が分かる場合は痩せすぎです。

犬の胸壁を見ても肋骨は判別できませんが、触れると肋骨が確かめられる場合が適正体重なのです。

手指で探ると肋骨が確認できる場合は肥満ぎみであり、全く肋骨が触知できない場合は肥満と判定します。

犬の肥満は飼い主がつくる習慣病です

カロリーの摂り過ぎは肥満の要因であることは言うまでもないことですが、動物が本来もっている「必要以上のカロリーは摂取しない」という能力を飼い主が崩してしまった結果としての肥満です。

避妊手術などが要因のホルモンバランスの乱れが原因の肥満も、飼い主によってつくられたものなのです。

すべての犬が太るわけではないのですが、肥満になりやすい要素がいくつかあります。

遺伝的要素

遺伝的に太りやすい犬がいます。

ラブラドール・レトリーバー、ロングヘア・ダックスフント、コッカー・スパニエル、シエットランド・シープドッグ、キャパリア・キング・チャールズ・スパニエルなどにその確率が高いようです。

年齢

2歳までは太りませんが、それ以降5~6歳くらいまでを頂点に太りやすい年齢がつづきます。

12歳をすぎると痩せはじめます。

避妊

避妊手術をした雌犬は避妊していない犬より肥満になる確率が2倍になると考えられています。

その理由は、避妊手術の影響を受けて、食欲抑制作用のある女性ホルモンが減少すること、食欲が増進するケースがあること、新陳代謝が低下すること、消極的になって運動量が低下するなどが原因だとされています。

雌犬は避妊手術によって乳がんや子宮蓄膿症を発症する確率が下がり、また雄犬は前立腺肥大や会陰ヘルニアの発病率が下がります。

その点から、避妊手術をしていない犬に比べて平均寿命が約1 年延びます。

それと引き換えに不活発と肥満という病気にかかる可能性が高くなります。

運動不足

人間と同じで、徘徊性がある犬は活発に動きます。

しかしこの頃、外出を嫌がったり散歩に出てもほとんど歩こうとしない犬が増加しています。

関節の不具合や心臓病などが原因で動きたがらない犬も肥満になりがちで、肥満と運動不足によって症状がさらに悪化することがあります。

おやつの与えすぎ

犬の世話をしたいという理由から、犬を飼うことになった方も多いと思います。

世話の中でも特に食べ物を与えている時が楽しい、一緒に食べている時が楽しいと感じる飼い主は多いと思います。

時として、食事から得るエネルギーよりおやつから得るエネルギーの方が多くなる犬もいます。

おやつを与えることによって色々な問題が生じるので、控え目にしないといけないのです。

肥満の予防と治療に於いては、いかなる対策をとるうえでもカロリーカットがポイントとなります。

食事からカロリーを減らす、食べても消化吸収をブロックする、運動してエネルギーを消費するといった方法があります。

食事から摂取するカロリーをセーブするには食事の量の制限を考えますが、これは常に空腹状態を犬に強いることになって、犬にとってはとにかくキツイことになります。

同じ食事制限でも、低カロリー食を与える方が犬の満腹感が満たされます。

食事量の制限は、犬と暮らす理由と相反するところがあります。

飼い主の多くは犬を世話すること、特に食べ物を与えることに大きな喜びを感じるので、食事制限は犬と飼い主の両者にとってストレスとなります。

その一方で、飼い主には犬に少しでも長生きしてほしいという気持ちもあるので、肥満治療はなかなか難しい問題なのです。

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